パロディ

□中編
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どうしてだろう

あの時見た君の泣き顔が

頭に纏わりついて
離れない……




【遠回りな僕達 中編】







「はぁ…最近めっきりカガリが来なくなっちゃって…僕淋しいんだけど…」


「…………」


「て言うか…この前のテストでカガリが赤点とってたなんて知らなかった…」


「…………」


「でもでもでも!それにしたってあんまりだよ!だってこれじゃあ…カガリの休憩時間が全然全く皆無に等しいじゃん!この一週間ずっとだよ?補習がそんなに厳しいなんて信じらんないっ!」


「…………」


「ちょっとアスラン!何呑気に読書なんてしてんのさ!?カガリと全く会ってないんだよ!何とも思わないわけ?」


合間合間の休憩時間に入るたび、飽きもせずに横で同じことを煩く喚き散らすキラに無視を決め込み、アスランは本に視線を落としていた。
けれど、実際は読んでいるわけでは無かった。
本の内容なんて頭に入ってこなくて。
ただひたすらに並べられた文字の羅列を眺めているだけで、頭の中は全く別の事ばかりに意識を捕らわれている。


別の事ばかり……



『───離せ……』



不意に蘇る声。

ずっとだ。
あの日からずっと頭に纏わり付いて離れない。


ずっと……





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