頂き物

□焦がれても手に入らないもの
1ページ/5ページ

初夏の風が頬を優しく撫でる。銀の長い髪が僅かにふわりと舞い、男は下へと向けていた視線を上げた。いい天気だ。そう思い開けっ放しの窓から外を眺める。そこから見えたのは美しい金髪のまだ少年とも言えるような青年の姿だった。
青年は誇らしげに薔薇の飾りを胸に抱き訓練用の槍を振るう。よく見れば辺りには彼の率いる第四騎士団の騎士等がいて、嗚呼鍛錬をしているのだなと悟った。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ