夢T
□ドールハウス
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好きですきでスキで、好き過ぎたから。
僕はキミを飼うことにしたんだ。
ね、我ながらいいと思わない?飼うって言ってもちゃんと人並みの扱いはしてあげるし。ああもちろん僕以外と仲良くしたらお仕置きだけど。でもさ、そうしたら×××チャンも僕も幸せになれるデショ?
僕達の邪魔するヤツはミナゴロシ。ほら×××チャンだってうれしいよね!
「ふふ、やっぱり。とってもよくにあってるよ×××チャン♪」
僕はありったけの笑顔を向けて、嬉々とした声で彼女の名を呼んだ。
ふっと困ったように×××が笑って、口を開く。
『豪華なドレス…。無駄遣いしたでしょ?』
「×××の為なら別にかまわないよ?」
『それでも無駄遣いはダメだよ?私には貴方の気持ちだけで十分』
こんな豪華なもの、まさか自分が着れるとは思わなかったけどね、とクスクス笑う彼女は僕の手を取ってありがとう、と微笑んだ。とくん、めったに動じない僕の心臓が高鳴って自然と笑みが零れる。
そのまま彼女の手を取り返して、まるで童話に出て来るようなやさしい王子様がそうするようにそっと唇をよせた。
腰を抱き寄せて、ワルツを踊るかのように手を絡めて触れ合う。
彼女が動く度ジャラ、と首輪につなげた鎖が音を上げた。
「ドレスも、この首輪ですらも君にはよく似合ってるよ×××」
笑って、抱き締めて、唇を寄せて、
それでもこの愛しさを伝えるに足りない。
全く。
どうしてくれよう、ファントムドール。
抵抗しなくなった君は、
ただの器か人型か、
それとも
『白蘭大好き』
「僕もスキだよ」
ふわり笑う×××。愛しさが込み上げる。
けれど、その笑顔が本物かどうか疑ってしまう僕に、君を捕らえる資格はあるだろうか。
『ボンゴレ相手に死なないでね………?』
「うん」
今はまだ、僕だけの人形で居て欲しいと、心底願ってる。
end
1ヶ月前の話
(そうだ、きっと白蘭は人間不信なんだよ!だから正ちゃん、私がボスを治してみせる!)(え、それ、場合によっては食われますよ×××さん)(白蘭ってカニバリズム的な趣味?)(違いますよ……とりあえず部屋に行けば、貴女なら嫌でもわかります)(………?じゃあ行ってきまーす)
(はぁ………白蘭さんわかりやす過ぎですよ、×××さんの事目で追ってるんだもん)(グッドラック×××さん!)
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