銀魂
□冗談を言う君
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新八が不信そうな目をして、高杉の前にお茶を置いた。
高杉はその様子を見て不敵に笑い、お茶を一口飲んだ。
「安心しろ、俺は昔銀時の仲間だったんだぜ?」
「えっ…?」
「昔の話だろ」
余計な事吹き込みやがって…。
俺はぶつぶつ呟きながら、苺のショートケーキにフォークを突き刺した。
「ククッ…美味いだろ?」
そう言いニヤニヤ笑う高杉に、俺は不信感を抱いたが、本当に美味しく、毒も入ってないようだから、安心してケーキを食べ続けた。
「本当、何しに来たの?お前…」
「テメーの顔を見に来ただけだ」
「………胡散臭ー…」
目を細めて高杉を見たが、立ち上がって「帰るか」とか言い出したから、本当に顔を見に来ただけかもしらねぇ。
ジー…と見ていると、不意に高杉と目があった。
そして何やら厭らしい目つきのままで、俺に近付いてきた。
「…ククッ……」
「………なんだよ」
「ついてる」
なにが、と聞こうとする前に、高杉が俺の唇を舐めた。
そこには苺味のクリームが付いていた気がする事もない。
突然の事に俺は持っていたフォークを落とし、目を見開いたまま無心に高杉を見つめるだけしか出来なかった。
「甘ぇ…」
高杉は自らの唇を舐め、クリームの感想を率直にのべた。
「なっ……おま…!!」
やっと状況を理解した俺は、顔を真っ赤にして高杉を睨んでやった。
だけどアイツは特に気にすることもなく、俺に背を向けて片手を上げた。
「あんまり可愛い顔してんなよ。喰うぞ、コラ」
(冗談に聞こえねぇ!)
(冗談じゃねぇよ)
END
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あとがき