銀魂

□俺と恋人とその部下
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最近の子供は頼もしい。

















「あれ、総一郎くん?」

「総悟でさぁ、旦那」


大串くんのいる屯所に行く途中、河辺に座り近くの何の罪もない雑草を引っこ抜いている、恋人の部下の沖田総悟に出くわした。

彼は俺の姿を確認すると、また、視線を雑草に移した。

よく見れば、彼はいつもの暑苦しそうな隊服ではなく、シンプルな私服を着こなしていた。


「どうしたの?暇そうだねー」

「今日は非番でさぁ」


特に急ぐ用事もなかったので、俺は沖田くんの隣に座った。


「聞きましたぜぃ、旦那。土方さんと付き合ってるらしいじゃねぇですかぃ」

「あぁ、まぁね。成り行きで」


笑いながら冗談を言ってみた。

成り行きではなくて、かなり真剣にお付き合いしている。


「旦那も男を見る目がねぇですよ」

「そう?結構見た目は良いと思うけど?」


見た目はいいと思う。

俺よりちょっとだけ、だけどね。


「見た目がいいからいけねぇんですぜぃ」


沖田くんは雑草をブチブチ千切りながら、俺を見た。


「あのクソヤローはムカつきますが、かなりモテるんでさぁ。だから、旦那を悲しませるかも知れやせん」

「俺、そんなに嫉妬深い男に見えるー?」

「土方さんの方が嫉妬深いでさぁ。…まぁ、つまり俺が言いたいのは、」


ブチッ、と今までで一番鈍い音がした。

沖田くんは手を顔らへんまで上げ、ゆっくり開いた。

千切られた草が、はらはらと舞っていく。


「もし、あのクソヤローのせいで旦那が悲しい思いをしたのなら、俺に連絡下せぇ。全力で旦那の前から奴を排除しまさぁ。…俺は、旦那の味方ですから」


ニッコリ笑う沖田くんは黒い。

でも、何故か頼もしい。


「じゃあ、沖田くんに一番に連絡するわ」


俺も笑顔で返す。

最近の子供は頼もしいなぁ…。

…ま、大串くん。

沖田に排除されたくないのなら、俺にしっかり構ってよね?










END




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