銀魂

□禁煙
1ページ/2ページ





貴方の禁煙に、ご協力します。























「ねー、大串くん。タバコ止めない?」


真選組屯所の副長の部屋。

年中暇人な銀時は、部屋に引きこもって仕事をしている土方を訪ねていた。

かなり忙しいのに、土方はせっかく来てくれた銀時を拒まずに、部屋に入れた。

銀時も流石に悪いと思ったのか、仕事が終わるまで静かにするつもりだった。

最初は、仕事をする土方の背中を見て静かにしていた。

しかし、部屋中に漂うタバコの臭いを嗅いで、我慢できずに土方に声をかけた。


「体に悪いよ?」

「止めれるんだったら、とっくに止めてる」


ふー…、とタバコをふかせながら土方が言った。

銀時は顔をしかめながら、閉まっていた扉を開ける。

風が吹き、新鮮な空気が部屋に入ってくる。

それと同時に、部屋の濁った空気が外に出て行く。


「早く死んじゃうよ?」

「お前を置いて先に死んでたまるか」

「はは。……バーカ」


サラリと恥ずかしい事を言った土方に、銀時が少し頬を赤く染めた。


「でも、キスする時に苦い味するからヤダなー」

「いいじゃねぇか」

「嫌なんですー。銀さんは甘いのが好きなんですー」

「俺の唇が甘かったら気持ち悪いだろ」

「それはそうだね」


正論を言われ、言い返す言葉がなくなった。

しかし、どうしてでもタバコを止めて欲しい銀時は、むー……、と悩み出した。


「何で止めれないの?」

「イラつくから…?無かったら口が寂しいんだよ」


そう言って、また新しいタバコを吸おうとした土方に、銀時は後ろから抱きついた。


「じゃあ、口が寂しくなったら俺とキスしたらいいんじゃねぇ?」


ポトリ…と、土方がまだ火をつけていないタバコを落とした。







(ちょ、待て。誘ってるようにしか聞こえねぇぞ)






END




あとがき
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ