七霊

□ナイト
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今夜もまた狩りを終えて自室に戻ると、ミカエル様が降臨なされていました。

























「テイト………、じゃねぇよな……」


窓から自室に入ると、テイトが俺のベッドに座っていた。

否、足を組んで神々しく座られているのは、ミカエル様だ。


「ゼヘル、遅かったな」


しかも、かなりご機嫌が良くないご様子。


「そこへ座れ」


俺と話をしたいのか、ミカエルは俺に座れと言った。

…………床に。


「………」

「はよう座れ」

「……へいへい」


逆らうと後が恐いので、俺はとりあえず座ることにした。

……床に(泣)


「ふむ。……何故、私がここに居ると思う…?」

「……分かりません…」

「この能無しが!デカいのは図体だけか!」


こいつ………!

俺は思わず首輪を使って眠らそうとしたが、前に勝手に眠らせて、ボコボコにされたのは言うまでもない。

嫌な思い出を思い出し、俺はミカエルを眠らせるのを止めた。


「まあ、よい。よく聞けゼヘル」


黙っている俺に痺れをきかせたのか、ミカエルが口を開いた。


「主は今、悩んでおられる」

「………テイトが?」


俺は心当たりがなく、ただ首を傾げるだけだった。

何故、何に、何が原因で……?


「ゼヘル。お前は主の悩み…もとい、願いを叶えてくれるか?」

「まぁ…テイトのためだったら…」


つくづく俺はテイトに甘いと思う。

後頭部をかきながら、ミカエルを見た。

そして俺は驚いた。

あのミカエルが優しく微笑んでいたからだ。


「今夜、ずっと主の傍にいてやってくれぬか?」

「…ぇ?」


どうして、と聞き返す前に、テイトの右手から緋色の石が消えた。

ミカエルがテイトに身体を返したのだろう。






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