七霊

□誤解を呼ぶ言い方
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俺はお前の事なら、何でも知っているんだ。

……なんて、ちょっとキモイよな。





















「お前、メロンソーダが好きなんだって?」


資料室で本を読んでいるテイトに声をかける。

テイトはページをめくる手を止め、俺の顔を凝視した。


「……なんで知ってるんだ?」


そして、不信そうな目で俺を見てくる。

何で、って…前にミカエルのヤローが言ってたし…。


「さぁ、何でだと思う?」


俺はニヤニヤしながら、テイトに答えた。

その意地悪な答えに、テイトは眉間に皺を寄せた。


「……寝言で言ってた、とか…?」

「ぷっ」


悩んで考えて出した答えに、俺は思わず笑ってしまった。

テイト的には真剣に言ったようだが、俺には可笑しかった。


「なっ……笑うな!」

「はは、悪ぃ悪ぃ」


顔を赤くして頬を膨らますテイトに、俺は笑いながら謝った。

本当、可愛い。

声には出さないが、心の中でそう思う。


「いい加減教えろ、馬鹿」


テイトがムキになって言ってくるので、俺はついつい意地悪で、答えるのを止めた。


「俺はお前の事なら、何でも知ってるんだよ」


テイトの頭をくしゃくしゃ撫でながら言うと、テイトから軽蔑したような目が帰ってきた。


「……何か、気持ちが悪いな…」

「狽ヘぁ!?」





(フラウ、その発言はちょっと…)

(プルヒャ!)

(いでで!分かってる、分かってるよ!!俺も今の発言はキモイと思ってたよ!)






END



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