ギアス
□名前
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「ルルーシュ」
ルルーシュ、と何度も俺を呼ぶ声に嫌気がさした。
「何度も何度も煩いぞ」
クラスの日誌を書く手を止め、俺はスザクを睨んだ。
ここは放課後の教室。
この後、クラブハウスの俺の部屋にスザクは泊まる予定。
一緒に帰る約束だったので、スザクは俺が日誌を書き終わるのを待っていてくれている。
優しいとは思うが、煩い。
「えー、名前呼ばれるの嫌?」
首を少し傾けながら訊ねるスザク。
かっ…可愛いとか思ってないからな//
「嫌ではないが…」
顔を赤くし、視線を日誌に戻しながら呟く。
「ルルーシュ」
スザクは何をするわけではなく、ただ俺の名前を呼んだ。
「ルルーシュ」
「ん?」
「ルルーシュ、ルルーシュ」
「なんだ?」
「るるーしゅ」
「しつこいぞ」
「ルルーシュ、好き」
「狽ネっ//」
急な告白に顔を上げた。
にっこり笑ったスザクの顔が視界に入った。
「な…なんだ、急に……//」
ドキッとした事を隠すために、落ち着こうとしたが、声が震えてる。
こいつの…、スザクのこういう所が俺は好きなんだ。
真っ直ぐで嘘がなく、思った事をすぐ口にだす所が。
「ルルーシュは?」
「え?」
「ルルーシュは僕の事、好き…?」
「あ…え、と……」
好きだよ。
世界で、一番。
ナナリーよりもお前が好きだ。
「言わなきゃずっと名前呼び続けるよ?」
「止めろ、恥ずかしいだろ」
何度でも言ってやるよ、好きって。
…でも、今はスザクが俺の名前を呼ぶ声が聞きたいから、言ってあげない。
「ルルーシュ」
「はいはい」
「ルルーシュぅー」
可愛い可愛い、俺の彼氏。
end
→
あとがき