ギアス
□猫
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突然ですが、猫を飼い始めました。
「るーたん♪」
こんにちは、枢木スザクです。
突然ですが、猫を飼い始めました。
いえ、アーサーではなくて、黒猫で紫の瞳のルルーシュ似の超美人のメスの子です。
「るーたんww」
名前は『るーたん』。
ルルーシュに似ているから、似たような名前にしてみました。
ジノに猫の名前を教えると、可哀想な物を見る目で見られました。
そのまま見返してあげるよ、ジノ。
「にゃぁー」
まぁ、るーたんを飼い始めた理由だけど、決して最近ルルーシュが構ってくれないからとかそんな理由じゃないから。
決して違うから。
最近、全然構ってくれないけど…。
けど、断じて違うから。
「ねぇ、るーたん。最近ルルーシュが構ってくれないんだ」
「にゃあ?」
「僕、寂しくて死んじゃいそうだよ」
「にー」
「偶には、るーたんみたいに甘えてくればいいのにねー?」
そんな事を愚痴っていたのが理由か分からないけど、次の日、珍しい事が起きました。
ルルーシュが珍しく甘えて来てくれたのは、次の日の放課後の生徒会室での事だった。
他のメンバーは何かと用事があって、生徒会室にはいなかった。
だから生徒会室にいるのは僕とルルーシュだけ。
ルルーシュと僕は向かい合わせで机に向かって生徒会の仕事をしていた。
しばらくして、ルルーシュが左手で両目を押さえてため息をついた。
細かい文字を見続けていたせいかな?と、僕はその様子を眺めていた。
「スザク…」
そして、ルルーシュが両手を広げながら僕の名前を呼んだ。
その甘い誘惑に、僕はイスから腰をあげ、ルルーシュを抱きしめた。
彼は時々、この様に甘えて来る。
久しぶりに甘えて来るルルーシュに、僕は自然と頬が緩んだ。
「どうしたの?ルルーシュ」
「んー」
僕の胸に顔をこすりつけ、言葉にならない呻き声をあげるルルーシュ。
昨日、るーたんに愚痴っただけはあるかな?
と、言うか…
「るーたんにそっくり…」
「……………は?」
「あっ……」
ルルーシュの動きがピタッと止まり、怪訝そうな顔で僕を見上げた。
僕は思わず出てしまった言葉に、反射的に手で口を覆ってしまった。
その後、るーたんについて聞かれ、「ルルーシュが最近構ってくれないから、るーたんという名前を付けました」って言って、軽蔑した目で見られたのは、言うまでもない。
END
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あとがき