婆娑羅
□周りはみんな敵
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「政宗殿ぉぉおお!!!!!」
バン!っと、教室の扉が開くと共に、ある男子生徒の声が響いた。
名前を呼ばれた人物は、頭を抱えてため息をついた。
「…………どうした、幸村」
名前を呼ばれた男子生徒、伊達政宗は扉を破壊する勢いで入ってきた、真田幸村を見た。
幸村の手には、沢山の参考書が握られていた。
「おはようございます!!さっそくですが、某に勉強を教えてくだ「不可能だ」……」
勉強を教えてくれ、と頼む幸村に、政宗はあっさり断った。
だが、幸村も諦めない。
「何故、『無理』ではなく『不可能』なんでござるかぁ??!」
「だってお前、阿呆だもん。俺の手にはおえない」
騒ぐ幸村に、聞き耳持たずな政宗。
両手で両耳を塞いでいると、後ろから何かに抱きしめられた。
「おはよ、伊達ちゃん!」
派手なオレンジの髪の毛に、顔に描かれた変なペイント。
…猿飛佐助だ。
佐助は政宗を抱きしめながら、幸村を睨み見た。
2人は本当は、(お母さんとその子供のように)仲がいいが、政宗の事になると、仲が悪くなる。
「佐助、離れぬか」
「嫌だねー。それより、旦那。俺に構ってるぐらいなら勉強したらぁ?…ま、俺様はテストなんか余裕だけどね」
「むっ……。なら、力ずくででも……」
「受けてたつよ」
政宗を非難させ、佐助は幸村とバトり出した。
一方、放置された政宗は、他のクラスメートの所に行く。
「元親、ここ教えろ」
「俺に聞くなぁあ!;; そう言うのは元就に……」
「煩い!我に構うな!!」
周りはみんな敵。
………だって、テストは周りを蹴落としてでも、一番にならないといけない行事だからね。
END
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あとがき