婆娑羅
□くだらないハナシ
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『政宗殿、至急某の所まで来たれよ』
さっき入って来たメールに、政宗はため息をついた。
せっかくの昼休みだってのに、急な呼び出しのメール。
しかも、幸村からだから内容にあまり期待は出来ない。
「はぁーぁ、と」
追信で屋上に来い、と来たので政宗は階段をゆっくりとのぼっている。
昼休みはいつも教室で寝ていた。
今日もそうしたかったのに、まさかの幸村からのメールで昼寝をすることは出来ない。
「昼からの授業、寝たら幸村のせいにしよ…」
いつも、幸村関係無しに寝ているが。
「ぉーい、幸村ー?」
屋上へて続く扉を開ければ、幸村が笑顔で立っていた。
「政宗殿!お待ちしておりました!!」
にぱっ!と笑い、幸村は政宗の手を引っ張った。
そして、何故かあったイスに座らさせられる。
「政宗殿!某は凄い発見をしました!」
「……はあ…」
興奮している幸村が、人差し指と中指を政宗の眉間に押し当てる。
意味が分からない政宗は、黙ってその動作を見ていた。
「さ、立ち上がってみて下され!!」
「……」
何がしたいのか分からない政宗は、言われるがままに立とうとした。
「…っ……!」
しかし、政宗は足に力を入れたが、立ち上がる事は出来なかった。
その事に、幸村は自慢気に笑った。
「素晴らしいで御座ろう?!人は眉間を押されると、立ち上がれないんでござる!今朝、佐助から聞いて是非、政宗殿にも知って貰いたく……」
「……幸村」
「何でござるか?」
「こんな下らない事を知らせるために、俺を呼んだのか…?」
「はい!」
幸村の笑顔は太陽より眩しかった。
(……くだらねぇ)
END
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あとがき