Receiving

□星風あき様
1ページ/2ページ

遅刻の代償



「ペタさん。ファントムどこか分かりますか?」
「珍しく仕事だろう。」

ロランはファントムを探していた。
今日は二人で休みを取ってお出かけの約束なのだ。

「お仕事…ですか?」
「ああ。」

約束していたのに、と思いつつ、ペタに御礼を良い歩き出す。
お出かけ、それも今日は特別にいつもは禁止されている町に行くのだ。
ファントムとお出かけ、と言うので普段はしない事までやったのだ。
服にアイロンをかけたり、髪を櫛で梳かしたり、ARMを磨いたり…。

「何も言わずに仕事に行っちゃうなんて…。」

置いて行かれた気分になって少し寂しかった。
城の廊下を歩きながら、溜息を付く。
約束の時間を20分過ぎている。

『もう一度ファントムの部屋に行って、居なかったら、部屋に戻りましょう。』

そう決めてファントムの部屋に向かう。
その間にも、居なかったらどうしようと色々な考えが巡る。
考えても無駄だと思っても考えてしまうのだ。
考えている間に部屋の前に着く。
深呼吸をして、ノックする。

「ファントム、ロランです。居ますか?」

返事は無い。
諦めて部屋に戻ろうと踵を返した。

−ぼふっ−

「!?」
「遅れてごめんね、ロラン。」

行き成りぶつかってしまい、抱きしめられる。

「ふぁ、ファントム…!」
「ごめんね。結構遅れっちゃった。」

ロランは少し泣きそうになりながらも、ファントムに悪口を言う。

「ファントム、じ、時間を守らないなんて…。」
「うん。」
「お、遅れるの一言ぐらい言ってくれても良いじゃないですか。」
「ごめん。」

ロランは一頻り怒った後で、ファントムの背中に腕を回す。

「…寂しかったんですからね…。」
「何処行こうか決めてたら時間すぎっちゃってて。」
「許しません。」

そう言うと、ファントムは困ったような愉しんでいるような顔になる。

「謝ってるじゃない。」
「いーえ。許しません。」

そしてファントムから離れる。

「今日は一日中私と居てもらいますからね。」

怒ったように言うと、ファントムは笑う。

「分かったよ。」
「寝るときもですからね。」
「はいはい。」

そして、ロランがファントムの手を握る。
顔を赤くして俯いてしまう。

「は、早く待ちに行きましょう!」
「うん、行こうか。」

ロランは嬉しそうに笑った。

               END.


-----------------------------------
後書き
遅刻の代償=一日中一緒みたいな感じです。
意味不明な終わり方ですいませんorz
かなり時間がかかっています。
結構前にリクエストしてもらったはずなのに…。
ファンロラ小説と言う事で、こんなのでよかったでしょうか?
一応相互記念と言う事で、良かったら貰っていってください、星風様。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ