キョン*ハルヒ
□ネクタイ
1ページ/5ページ
「おい、ハルヒ……」
「何?」
「……っいい加減苦しいんだが……」
「そう」
いや、「そう」、じゃなくて。
“ネクタイ”
俺のこの苦痛がどこから来るのかといえば、それは一目瞭然だ。
すなわち、ハルヒの右手が掴んでいる、ネクタイである。
で、この引っ張られたネクタイはそのまま着衣主の首を絞めているわけだ。
ちなみに着衣主はこの場合俺。
うん、苦しい。
「えほっ……」
軽くむせて、変な咳が出る。
喉に食い込むネクタイで、呼吸さえしづらい。
引っ張っている張本人はといえば、何か上機嫌である。
行き先も告げずに俺をどこかへ連行しているという、いつもの状況。
やれやれ。