キョン*ハルヒ
□見てた
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何も見てないフリで、背中見てた。
“見てた”
ふと口ずさむのは、先日脳内無限リピートでひどい目にあったあの歌だ。
その印象が強すぎて思い出すといい気分はしないが、けれども曲自体は悪い出来ではないと思う。
という訳で、今の俺は涼宮ハルヒ作詞作曲「First Good-Bye」をセルフ脳内リピート中だった。
「もぅぐっっばぃばぃふぁすとらーぶ」
「下手くそ」
振り向くと、ハルヒが自分の席に着く所だった。
つまり俺の席の後ろ。
「そこはもっと叫ぶように歌うのよ。想いを伝える事もできずに諦めてサヨナラする女の子の歌なんだから、そういう風に感情込めて歌わないと」
まったくわかってないわね、と呟きながらハルヒは椅子に腰掛けた。