キョン*ハルヒ
□伝って染まる
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ハルヒが背中を突いて来たら、それは始まりの合図だ。
少なくとも俺は、そう思っている。
“伝って染まる”
ツンツンと、シャーペンの先端が背中に刺さる感触。
突くのはまだよしとして、シャーペンでやるのは止めて欲しいね。
ブレザーの背中がいつか真っ黒になるんじゃないかと気が気でない。
「……なんだ」
「ねぇキョン、思いついたの!」
後ろを振り向けば、例の500ワットスマイルが迎えてくれた。
視近距離で見ちゃいけない、失明してしまう。
ハルヒの笑顔は、いつもそんな風に思わせた。
「……何をだよ」
「聞いて驚かないでよ!!今度の連休……!!」
──そう。
全ては、コイツの笑顔から始まる。