キョン*ハルヒ
□見てた
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「悪かったな。俺は元々歌は苦手なんだよ。ていうかそういうお前はどうなんだ。失恋の気持ちなんてわかるのか?」
「……なんとなくは」
むすっとしたハルヒが窓に目をやる。
……なんだか今日のハルヒは珍しくおとなしい。
普段なら朝っぱらから高いテンションを維持しているというのに。
「……まさか、リアルに失恋したとか、そういう話じゃ」
「違うわよ」
とうとうハルヒは机に伏せてしまった。
ぼそぼそと言葉を発する。
「恋愛なんて、一時の気の迷いだって、前にも言ったでしょ。そうよ、気の迷いなの」
「ハルヒ……?」
それは自分に言い聞かせている様にも聞こえた。