キョン*ハルヒ
□ドッペルゲンガー
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けれど、“俺”は“あいつ”なのに、“あいつ”は“俺”ではなかった。
どうして“俺”なんだ。
“俺”が“あいつ”じゃ、いけなかったのか?
どうして“あいつ”は“俺”じゃないんだ。
「ん……ぅ」
軽い衣擦れの音。
ハルヒが寝返りを打つ。
俺の役割。
最初から定められた結論。
……“俺”は、逆らう事はできない。
だってな、そのために、“俺”、は、
「……、ょ……ん……」
そのため、ハルヒを守るために、ここにいるのだ。
大好きなハルヒを、守るために。
それは、唯一“俺”にできて“あいつ”にできない事。
“俺”の存在理由。