《テキスト》

□Grazie(ありがとう)
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「ヒヒ!ティキ!!」


フワフワと柔らかそうな金糸を揺らしながら最近家族に加わった双子のデビットとジャスデロ合わせてジャスデビの片割れジャスデロが俺に向かって走ってくる。
普段何かと憎らしい発言をかましてくれるが、根は素直らしく、任務がないときはデビットと違い、子どもらしい一面を覗かせる。


「ジャスデロ〜?屋敷内は走るなって千年公に言われなかったか?」

「ヒヒ・・ゴメンなさい」


取り敢えず年上らしく嗜めれば、下がった耳が見えるような錯覚を覚えそうになる位シュンと、項垂れる様は、身近に捻くれた子供しかいないせいか、やけに愛らしく見える。


「ティキ、ティキ。社長、怒る?ジャスデロ、怒られる?」


千年公を何故か社長と呼ぶジャスデロは、怒られるのではと不安気に見上げてくる。
その様子が可愛くてフワフワの猫毛を撫でてやる。


「今回は黙っててやるから、その代わり次から気をつけるんだぞ?」


猫毛にを撫でながらそう言ってやれば、不安気な表情は影を潜め、わかりにくいが嬉しそうな表情にかわった。




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