《テキスト》
□Letzt Junge(最後の少年)
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夜、ふと目が覚めた。
嫌な夢を見たわけじゃない。
でも、今は嫌な夢みたい。
何時もは賑やかな屋敷全体が静寂に包まれてて、僕だけ1人、世界に見捨てられたみたい。
外は雲一つ無くて、
僕を嘲笑うかのような三日月だけが嫌に目について、
世界が僕の寝ている間に滅んでしまったんじゃないかなんて、
何て馬鹿な考え。
でも、恐い。
自分の早い心臓の音だけが、僕の世界に満ち満ちて、
僕の恐怖を煽る。
何もかもが恐くて、恐くて、僕は、自分を強く抱くように腕を回す。
月も、静寂も何もかもが恐くて、恐くて仕方ないんだ。
【Letzt Junge(最後の少年)】