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□好敵手?11
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どうやらこの南部で捜してるらしい。四神・朱雀の力を持つ人間を。

四神・朱雀はこの地区の象徴。
さらに南部地区にいる人間は主に火属性の力を持つ人間が多い。その能力を持つ人間はこの地区の象徴とする朱雀の恩恵を受けた者と昔の人は言った。

だが、誰もが持っているわけでもない。
俺たちの家族はなんの能力もないただの平凡な家系。
死んだ両親も姉ちゃんもそうだ。
そして、俺も。両親は俺に朱雀の加護があるようにと名前を貰ってつけたらしい。姉ちゃんも一字貰っている。
南部地区には皆朱雀に関連する名前を子供につけている親が多かった。



一応、15歳になると能力試験はあるが、そこで能力の適性が認められなければ、部隊には入れない。
俺は能力の適性は認められなかった。今はこうして姉ちゃんが切り盛りする店の手伝いをしている。
姉ちゃんは早くに亡くなった両親の店を引き継ぎ、まだ幼かった弟の俺の面倒を見ながら切り盛りしていた。

適性は認められなかったけど、姉ちゃんはこれで良かったと安堵していた。しかし危険は付き物だが、部隊に入れれば給料も良く安定していていいのだ。



「やっぱ朱華さんの料理はサイコーだな」
「煌焔さん、飲み過ぎ」
「おっ、朱雀じゃねぇか」




煌焔さんの部隊にはいないの?
そんな優秀な奴、いればとっくに中央に引き抜かれてるさ。
15歳未満の子供も対象に試験を受けさせ、ひっきりなしに捜してるらしい。
そんなにヤバイの?
まぁな、災厄は途絶えるどころか増えてばかりだ。
しかも、朱雀の能力を持った人間が途絶えて、60年…。南部は不作続き、貧困や病も増えるばかりだ。


俺もいつまでこの仕事を続けられるか分からない。個人差はあるが、大抵30歳を境に次第に能力を失っていくからな。
俺もいつこの力が無くなるか分からない。朱雀の力を持つ奴は別らしいが。





能力の覚醒率はだいたい15歳まで、それ以降なんの兆しが無いものは可能性はゼロに近い。また能力はいつまでもあるわけではなく、失う年齢に個人差はあるが、30歳を境に次第に失っていく。
能力のステータスに反映しており、弱い人間は年齢が早く、力が強い人間は失っていくのが遅い。
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