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□好敵手?11
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よくぞ南部にお越しくださいました。

これはなんてことだ。
ここに病に感染した人間を収容しており、現在南部の医療部隊が患者の救護に当たっておりますが、人手が足りません。
能力保持者なら耐性があるので討伐部隊も援助に当たっておりますが、このまま感染者が増えると中央本部や東部、西部、北部からも援助が必要かと…
そうだな…確か南部の能力保持者は3割。半分にも満たず、他の地区よりも少ない。
さらに南部の柱となる朱雀の力を持つ人間も先代の保持者が没してから60年間誕生していない。中央、他の地区の援助があるものの、このままでは南部は衰えていくばかりだ。


煌焔さーん!
朱雀、おまっ、朱華さん?!

大変なんだ!姉ちゃんが、昨日の夜から熱が下がらなくて…ただの風邪かと思ったけど、なんか変な痣がたくさん身体中にできてきて…姉ちゃんと同じ症状の人が収容されてるって聞いて連れてきたんだ。
分かった、とにかくこっちだ。

朱雀に背負られて、ぐったりとした朱華を見た煌焔は布が敷かれた床へ寝かすよう促した。

すまない、今はこの状態だ。
もっと良いところで治療させてやりたいが…
姉ちゃん、大丈夫ですよね?

早く各地から援助要請を出せるようにしよう。
この人は…
あ、中央の方だ。今ちょうど南部に来て頂いていて…

中央?!
俺は黄竜。四神特殊部隊総隊長を務めている。
俺は朱雀です。
朱雀…
あ、いや、朱雀と言っても名前だけで、ぜんぜん能力は無いですけどね。


能力がない…?君は大丈夫なのか?
へ、俺ですか?
この病は能力を持たない人間がかかるものだ。確か、君のお姉さんは昨日の夜から熱が下がらないと言っていたな。長い時間病に感染した人間といたようだが、なんともないのか?
別に今のところは…

そうか…
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