オリジナル
□好敵手4
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武闘館学園。中高一貫校で、あらゆる面で力の強いものがその頂点に立ち、支配する。
もちろん高校からの編入も可。
まぁ、平凡な俺にはあまり関係無い。地味に目立たなく過ごしていれば普通に日々は過ぎていく。そう、地味に目立たなく過ごしていれば。
「どうしてこうなった」
俺はその日、この学校に進学することとなった原拠であるジジィと喧嘩してむしゃくしゃしてた。
そこに揉め合う男と……女?いやここは男子校だ。
ほら、あれだ。女顔の可愛い系男子。
「嫌だ、僕は強い男としか付き合わない!」
「だから俺は強いんだって、だって生徒会だし。俺と付き合おうぜ」
「触んないでよ」
可愛い系男子とチャラそうな不良男が揉めている。一つ言い忘れていたが、ここはホモの巣窟らしい。九割ぐらいがホモだ。
うわぁ…めちゃくちゃまずい場面。
見てたら可愛い系男子の方と目があった。
「え」
「んだぁ、てめぇ。なにジロジロ見てんだよ」
いや、絡まれても困るし。そいつは助けを訴えるような目。
そもそも俺はノンケだし、いやそれは今関係ないか。
だが、俺もむしゃくしゃしてたのがいけなかったのかも。
バキッ
俺の綺麗な蹴りがチャラ男の頬に食い込んだ。可愛い系男子は目を見開いて見ていた。
「あ」
やってしまった。
この出来事が俺の平凡な人生を狂わせた。