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□遙か彼方へ
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「彼方、明日は…」
「兄貴ごめん。明日早いから…」
「そっか、今日もお前の声が聞けたからいいか。おやすみ彼方」


頻繁に来る電話。電話できないときはメールが。今何してるとか、ストーカーかよ。
無視してやれば、親という手を使ってくる。

「なんて冷たい子なの!遙は前線で戦っているのよ!あの子のおかげでウチは生活できてるの!本当は行かせたくなかったのに…っ」

あまりにも兄を溺愛していた母親は嘆き悲しんだ。国からの強制だ。選ばれた人間は行かなくてはならない。
誰からも愛され、優秀な兄は選ばれた。
地球軍パイロットに。

俺は正直ホッとした。
一緒にいるだけで息詰まった。
俺は大嫌いだった。

双子の兄が。
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