よろず

□ダン戦
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「僕も学校に通うことにしたんだ」
「ふぅん…って、マジ?!ジン学校行ってなかったの?」

バンはアキレスを磨いていた手を止め、ジンの方を見た。


ジンはいわゆる「なんでも屋」だった。気に入った仕事が来ればなんでも請け負う。腕も確か。

「君の頑張り次第では山野博士の情報おろか一緒に探してあげるよ」という言葉にジンの助手になったが、一向に仕事が来ない。(来ないというかジンは好き嫌いが激しいため、気に入らないと突っぱねてしまう)だが、お祖父さんだけは特別らしく、彼の依頼だけは素直にこなすが、ジン一人であっという間に解決してしまう。これでは全く持って腕の見せ場がない。毎日放課後ジンの所に寄っていくものの、こうして雑談で終わってしまう。
本当にコイツ父さんのこと探す気あるのかと思ってしまう時がある。
それでもジンの世話係のお爺さんが出してくれるお茶とお菓子は絶品なので収穫はあるのだが。


「ずっと家で英才教育を受けてきたからね」
「へぇ、さすがは金持ち。でもなんで急に?」
「それは君が…いや、興味が沸いたからだよ」
「ふぅん、でもどこの学校に行くのさ」

きっとお金持ちのジンのことだ。どこかの私立のエリート中学とかにでも行くのだろう。

「それは後でのお楽しみさ」
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