Let's&go
□すくーる・うぉーず
1ページ/2ページ
「弟を苛めていいのは兄貴の特権だろ?」
烈兄貴のヤツ、さらりと言いやがった。
「それに兄貴って大変なんだよ。なにかと弟の面倒を見たり、時には我慢しなきゃいけないしね。特にお前の場合はそう!」
烈兄貴が思いっきり俺を指差し、意地悪そうな笑みを浮かべた。
「さぁて、今日はどんなことをして豪を苛めようかなぁ〜」
「俺、優しい兄貴が欲しかったなぁ…」
「優しいじゃないか。それに豪がいつもバカやってくれるおかげで、兄貴としては恥ずかしいことだけど皆僕のことは良く評価してくれるしね。ある意味豪のおかげで、イメージアップかな」
全然嬉しくねぇーよ。
そのせいで、アンチ烈兄貴派の連中らが面白がって弟である俺を抵抗勢力として盛り立てやがったんだぞ。俺は大好きなマグナムをいじって、給食を食いながらのんびりと過ごしたいんだよ。勉強は嫌だけどな。
「豪、またこんな点取ったのか!」
「げげっ、なんで烈兄貴が俺のテスト持ってんだよ!」
烈の手にはこっそり捨てた筈の豪の赤点のテストがあった。
「さっきそこで拾ったんだよ」
「んなもん拾うなよ!」
「ほら、ちゃんと持って帰って母さんに見せろよ!全く兄貴として恥ずかしいよ」
「なんだと!兄貴だからって好き放題言いやがって!弟だからってナメんなよっ!俺のマグナムと勝負しやがれ、烈兄貴!」
「別にいいけど」
「俺が勝ったら俺のやることに一切口出しすんな!」
「それだけでいいの?分かった、お前が勝ったらその条件呑んでやる。でも僕が勝ったら豪は何をしてくれるの?このままだと特に僕に対するメリットがない気がするんだけど…」
「へーんだ、そん時は烈兄貴の奴隷でも何でもなってやらぁ!まぁ、この星馬豪様が勝つに決まってんけどな!」
「豪、その言葉忘れるなよ」
学校で兄弟喧嘩が勃発。周囲では雄叫びが上がる。日頃から女の子を虜にする烈兄貴に不満を持つアンチ烈兄貴派の連中らは初っ端からこれが目的だったからな。
「いいぞ、豪!どんどんやれ!」
「そうだ兄貴なんて蹴散らしちまえ!」
「これは見物だよな!」
俺はアンチ烈兄貴派の連中が待ってましたと面白がっているのに気を取られていて気付かなかった。烈兄貴が何か企んでいるような笑みを含ませていたことに。