Let's&go
□トラブルメーカー
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リーダーの憂鬱
「あー、豪それ俺の」
「別にいいじゃんかよーって、豪樹!」
「へーんだ、俺の春巻きのお返しだっ!」
「くっそ〜俺が楽しみしていたタコさんウィンナーを!」
「お前ら食事ぐらい静かにできないのか?」
「そうだす。あんちゃんの言う通りだす」
「「うっせぇ!こうなったらミニ四駆で勝負だ!」」
食べ物の恨みはミニ四駆で果たすかというように、豪と豪樹は片付けもせずにマシンを持って飛び出していく。
「こら豪!それに豪樹君もちゃんと片付けてからいけ!」
「なんだか豪君がもう一人増えたみたいでげすな烈君」
「うん…って、烈矢君それ僕の卵焼き」
藤吉と話している間に烈矢が烈の卵焼きを食べていたようである。
「ごくん………いらないと思ったから」
「(コイツ飲み込みやがった)」
誰もいらないとは言っていない。
豪と豪樹はたまに喧嘩をするが、普段は気の合う仲良しさん。互いに恋愛感情はないので烈兄貴は特に警戒していません。烈兄貴は豪を微笑ましく見守りつつも、少し寂しさを感じています。
最近は豪と豪樹がべったりなので烈矢といることが多いようです。
「わりぃな烈。烈矢が食っちまったみたいで。お詫びにほら俺が作ったんだ」
「うわーやっぱすげぇな豪樹!あの春巻きも美味かったしな」
「兄貴は一応家事全般は得意だ」
「烈矢のパンツも俺が洗ってるんだぜ」
「ふぅん、なんだか主婦みたいだな」
「兄貴は嫁に行かせない」
「行かねぇよ」
「ん、どうしたんだ烈兄貴?」
「烈もしかしてマズかったか?」
「美味しいけど、この卵焼き甘さが足りない…」
「あ、甘さ?」
「気にすんなよ豪樹。烈兄貴の奴、結構味にうるさくて、母ちゃん以外の料理にはこういうことしょっちゅうだから」
「それじゃあ烈のお嫁さんになる子は大変だな」
烈兄貴のお嫁さんの条件。まずは(烈兄貴好みの)甘く焼いた卵焼きが作れること。それを作れるのは良江母と(実は烈にみっちり仕込まれた)豪しかいません。
チイコは果たして烈兄貴のお嫁さんになれるのでしょうか?でもどうやら烈のお嫁さんは豪に決定のようです。