過去の拍手
□C
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*今回は少々暗い系です。
父を殺した。
弟を殺した。
母を傷つけた。
後は、虚無感だけが残った。
夜桜が、はらりと舞い落ちる。
小十郎「・・・政宗様。」
政宗「・・・・ぁ・・?」
小十郎「・・・右目が、痛むのですか・・・?」
小十郎が心配そうに訊ねてきた。
しかめっ面で振り返ったのが悪かったか。
・・・痛い。
政宗「・・・痛くねぇよ・・・。」
そう答えたはずなのに、小十郎の顔から心配の色は消えない。
あぁ・・、そうだった。
こいつはオレの右目だった。
小十郎「政宗様。」
ばれてるか。
誰だ、夜桜を見ようと言ったのは。
思い出してしまうのに・・・。
あぁ、オレか・・。
オレは1度「ハッ」と笑った。
しんみりしすぎだろ、これは。
こんな時は、
政宗「小十郎。明日、上田に行くぞ。」
真田と殺し合うのが1番だろ。
小十郎は一瞬驚いた表情を見せたが、すぐに微笑し、
小十郎「・・分かりました。」
と言って、オレを置いて先に戻っていった。
少しだけ、明日、上田に行くのを止めてほしいと思った。
オレは一瞬、
「・・・明日真田がオレに勝てばいいのに・・。」
と思ってしまったからだ。
・・・やっぱしんみりしすぎだろ。
誰だ、夜桜を見ようと言ったのは。