伝染掲示板

▼書込み 

09/02(Wed) 21:43
〜捨てられた玩具〜
enigma





ある少女が捨てた玩具の怪談を一つ。


少女は五歳の誕生日に、
祖母から少女によく似た人形を貰った。
その時は嬉しく、
毎日のように持っていた。

けれど少女は十歳のある時、
人形を持つ自分に恥じらいを抱いた。

五年もよく保ったと思う。
所々から綿がはみ出て、
髪を作っていた糸は数えられるほどしか残ってはいなかった。
誰が見てもその人形は、
とても歪で不気味だった。

そして少女は、自分に似た人形を
捨ててしまった。


人形は捨てられ、時は過ぎ
少女は十二才の誕生日を迎えた。
けれどその誕生日の日に、
病を抱えていた祖母が死んでしまった。

少女の誕生日は
祖母の命日となり、
少女は悲しみよりも
酷く不気味悪がった。


十二才の誕生日を迎えた次の日の夜
祖母の式も終わり、
少女は喪服を着たまま寝てしまった。

だが真夜中、
何かに起こされるように
少女は目を覚ました。
頬には冷たい汗が伝う。

妙だと少女は不思議に思ったが、
汗の気持ち悪さが優先となり
少し外の空気を吸いに
窓辺へ向かった。

そして少女は窓を開けるべく
カーテンをそっとめくると


そこには十歳のころ捨てた
少女によく似た不気味な人形が
外からジっと少女を見ていた。
所々はみ出ていた綿は、
綿でなく腸みたく生々しいもので
臓物が人形はあった。

少女は悲鳴もあげられぬほど驚き
体は震えをあげていた。

そして人形はそっと呟く。
少女とよく似た声で……
少女にしか聞こえない言葉を



 
W53CA

☆の付いている部分は必須項目です。

名前

題名

メッセージ
1,000文字まで

あなたのフォレストID

あなたのパスワード

リンク

削除pass

文字の色



アイコン


画像認証
不正な書込みを防ぐために行います。下の画像に5桁の文字が書いてありますので、その文字を半角英数字で入力してください。文字が読みにくいときはで画像が変わります。

文字入力:

投稿規約をご確認のうえ、同意する

※投稿規約をお読み頂き「同意する」にチェック入れて送信して下さい



[戻る]



©フォレストページ