心の欠片は砕かれた
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窓を開けると、微風がカーテンを揺らした
普段、あまり外に出たがらない自分の柄にもなく、外に出たくなる心地よい快晴
もう少し、微風を味わっていたくて目を閉じる
バタン
ドタドタッ
「紬っ!!大変だよ!!」
…妨害されました
ドアを開けて入ってきたのは、唯一の親友であり霊界案内人のぼたん
『…何?』
説明を求めるも、ぼたんは慌てすぎて説明が要領を得ない
まずは彼女を落ち着かせよう
彼女の話は、霊界にある闇の三大秘宝が盗まれたと言うものだった
『…随分手薄な警備ね』
そんなに大切なものなら、もっと警備を厳重にしなさい
にべもなく言い放つ彼女に、ぼたんは苦笑を浮かべた
「まあ、相手が悪かったんだよ。…それでさ、その事についてコエンマ様から伝言があるんだよ」
『…まさか秘宝を取り返せ、とか?』
「いやいや、それは新しい霊界探偵の仕事さね。紬に頼みたいのは別なんだよ」
現在、コエンマの父親である閻魔大王は出張中であと一週間は帰ってこないらしい
しかし、それまでに秘宝を取り返さなければ、霊界の人達にお仕置きがあるらしい
「それがさ…新しい霊界探偵ってのがまだ未熟でね…。そこで、紬には閻魔大王様の出張先に行って、足留めしてもらいたいんだよ」
『…どうして私がそんな事しな「コエンマより。追伸、頼む!!紬!!今のところ、お前しか頼れる者がおらんのだ!!」…。』
まぁ、いいか
コエンマには…霊界には貸しがあるから
『場所はどこ?』
その言葉を聞いて、ぼたんが安心したように微笑んだ