エヴァ小説(短編)
□アスカの価値は
1ページ/1ページ
・・・・・・・
第三新東京に未確認物体が発生とのこと・・・
黒と白のマーブル模様の球体で、使徒かどうかも定かではない
『あれが使徒なの〜〜〜もうちょっと使徒らしい形だったら倒しがいがあるのに』
弐号機パイロット、惣流・アスカ・ラングレーは不機嫌そうに呟いた
『まぁアスカ、気を取り直して・・・』
慌てて初号機パイロット、碇シンジはなだめた
『ここはパイロットの先輩として私が先行するわあんたはバックアップ頼んだわよ』
『気をつけてね、』
『な〜〜〜に、オチャノコサイサイよ』
(大丈夫かなぁ)
初号機はハンドガンを装備、弐号機は太刀のようなものを持った
弐号機が後ろに反り返ったと思ったら一直線に使徒らしき物体まで飛んでいった
慌ててハンドガンを撃つシンジ君
ズダダダダダダダ・・・
『こんちくしょ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜』
ザシュ・・・
スイカ割りのように真っ二つになる使徒
『手応えあったわね』
『アスカ下・・・』
異変に気付いたシンジ
『な・・・ななっ』
すでに膝の辺りまで沈んでいた・・・・・
『アスカ〜〜〜〜〜今行くよ』
『これは私のミスね・・・それにシンジ、こっちに来ないほうがいいわ・・・辺り一面が沈んでいるわ・・・・・』
いつの間にか真っ暗闇になっていたアスカの周りであった
『シンジ、こんなときに言うのは反則かもしれないけど私の遺言だと思って聞きなさい、今まで私はアンタに散々厳しくしてきたわ、でも、でも、アンタはそれに答えてくれた・・・最初会ったときには自信を持てなかったけど今なら言えるよ、シンジ、私はアンタのことが大好きよ』
『アスカ〜〜〜』
もう上半身しか見えない弐号機に叫ぶシンジ
と同時に初号機も闇にとびこんでいった
『なにやってるのよ、アンタだけでも助かりなさい』
『ダメなんだ、僕はアスカがいない世界なんてダメなんだ』
『シンジ・・・・』
抱きしめあいながら沈んでいく二人であった
『は〜〜〜いカット』
『さすがやな碇、そして惣流』
『思わず涙がでてきたわ、さすが私のシンジね』
『今年の文化祭出展、製作映画、かなりのできやな』
『これで加持さんのスイカはいただきや』
(完)