黒子
□一瞬で嬉しくなる
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初めは嫌々だったお使いも、今は幸せ一杯で頼んできた母には非常に感謝している。
「後は何買うんだ?」
「えーと、餅ですね」
隣にいる笠松を見て、伊月は頬を緩めた。
それに気付き訝しげな表情をされるが、微笑むだけで答えることはない。
笠松も特に気になる訳ではないのか、すぐ側にあった餅の袋を伊月の持っているカゴの中に入れる。
「すみません、付き合わせちゃって」
「別にいいって。ついでだしな」
持っていたカゴを示し肩を竦める。
笠松も伊月と同じように買い物を頼まれたらしい。
「ったく…大晦日くらいのんびりさせてほしいよな」
「確かに、たまの休みですからね」
「…にしては嬉しそうだな」
「そりゃまぁ…」
こうやって笠松さんといれるから嬉しいですよ、と伊月は微笑む。
すると笠松の顔はみるみる赤くなっていき、ごまかすためなのか伊月の背中を思い切り叩く。
「くだらないことはダジャレだけで十分だ、ボケ!」
「ひ、ひどい…」
「さっさと買って帰るぞ!」
早足でレジへと向かう笠松を慌てて追い掛ける。
誘ったら初詣とか行けるかな、と予定を考えながら伊月はまた微笑んだ。
END
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ついに書いてしまった伊笠。
…需要あるのか?←
伊月って敬語どう使うんだ、とか色々ありますが楽しかったです。
091231