おはなし
□追憶 part.2 思春期
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琴音、13歳
今わたしは
人目のない場所に
ふたりの男と共にいる
この事件の発端となった彼の吸う
メントール入りの煙草の
煙を見つめつつ
何となく彼を見上げると目が合って
「…お前も吸う?…吸わないよな、"優等生"だもんなあ」
ふん、と鼻で笑われる
煙草を吸うのに
優等生も何も関係ない
小学生の頃に従姉妹にムリヤリ煙草を吸わせられたわたし的に
その言葉にはおかしな反感を覚えたけれど
黙って彼を見る。
「チッ」
彼は煙草を足元に捨てると
わたしの目の前に立った
身長はあまり変わらないのに
横幅がやたらでかい