10/03の日記

17:07
08*梅桃桜
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♪ ピンポーン


『来た!』
「ほんとか!」

 友人達がついたのは、お昼を食べ終わった後すぐだった。



『いらっしゃーい』
『『お邪魔しまーす』』

 小梅が呼んだ友達はふたり。
 すらりと背の高い美人、癒し系の桜。小柄で可愛い顔してグラマラスな桃子。
 どちらも高校時代からの親友であり、小梅は気の置けない仲と信頼している。

 三人は小梅の部屋に向かった。


『……小梅、携帯に送ってきたあれなに』
『んー? 何がー?』

 訝しげに話を切り出したのは桃子だ。一方の小梅は知らぬ存ぜぬとお茶を運ぶ。


 がちゃり


『狭い部屋ですがどうぞー。さ、座って座って』
『う…うん』

 ふたりは折り畳んだベッドの上に、小梅はその前に座った。

『……時間も惜しいし、単刀直入に言うんだけども。ふたりにお願いがあります』
『うん』
『写真どう思う?』

『潮江だよね』

『う……ん。まぁ』
『他三人』

 桃子が声のトーンを下げる。

 目は小梅の方を向いているが、辺りに気配がないか探っている様子だ。

「…っと俺は思う」
「あのおっぱい大きい方は忍び向きだな。油断がない」
「こへーた、初対面の女の人にすごく失礼じゃ……」

 桃子と桜のすぐ斜め後ろの本棚の上。まめにんたちは小梅の友人たちを見ていた。

「小梅さん。ぼくらの方ちらりともみませんね」
「うむ。だが信号は送ってやらねば」

 文次郎はティッシュペーパーを大きく振り回した。


『離れ離れは嫌かと思ったんだけど、みんな大変じゃないかって心配してくれて。誰が紹介して欲しいって言われてねぇ。
 可愛がってくれる優しい人がいいって言うからふたりにご連絡差し上げました』
『ほう……』
『う…うん』
『なんか第一印象も良さそうだし。
みんな降りといでー。お茶にしよう!』

「おー!! いけいけどんどーん! それいけいさく!」

 どん!

「ぅわぁあああ!!」

 小平太に押された伊作が本棚から落下!


 ひゅーー…… ぼすん!


『ひぃいいいー!!』

 桜の背中にダイブ!

『なんか入ったぁあ!!?』
『ちょっ、不運! 桜ちゃん落ち着いて!』
「馬鹿たれ! 伊作、いま行く!」


 ひゅん


『潮江!!』

 飛び降りる文次郎に気が付いた桃子が両手を広げる!


  ぽふっ


「!!?」
『かわいー!!』

 図らずも、おっぱいダイブ!


「ぎ…ぎーん!!」


 文次郎の悲痛な叫びが狭い部屋にこだました。




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