小説
□容疑者R,F,
1ページ/5ページ
R、F「……むしゃくしゃしてやった。後悔はしていない。」
(麓介視点)
それは、昨日の昼休みにまで遡る。
例の如く、オレはアシタバと一緒に保健室で飯を食っていた。 他のヤツ? 知るか。
それで、アシタバが唐揚げを口に運んで、美味そうに咀嚼しているのを見て、癒されつつ、俺も食べてみたくなりいつもの要領で交換してくれと頼む。オレのみょうがと。
『だ、駄目・・・。』
今まではいつも巧くいってたし、オレのアシタバへの愛が入っているから大丈夫だと思っていたら、断わられた。
いや、いつも一言目は断わっているが、それとは明らかに雰囲気が違う。 こりゃ、折れることはなさそうだ。
『せめて、伊勢えび級のじゃないとダメだよ』
だから、その日の夜、オレは料理長に いつもは内容は全て任せてる弁当に、伊勢えびをリクエストしておいた。