リクエストBOX

□時雨に見つけた
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「あ〜ぁ…こりゃどうしたもんかな…」














〜時雨に見つけた〜









京の町、この都は昔からちっとも変わらず時がゆっくりと流れている……
私はこの都が大好きだった…。父も母もこの都が大好きで、5つまでは良く買い物をしたものだ…両親が死ぬまでは――。











「ん?葛葉さんじゃない」








「御元気そうですね。アレと…アレください。あっ…あとコレも」














一人で過ごす生活にも慣れた。
料理は昔父の知り合いだった葵屋の方々に教わったので、5つでも立派に生きてこれたのだ。








「はい。毎度おおきに〜」







自分の持ってきた袋に野菜を入れ、町をふらふらと歩く……。










本人は良く分かっていないようだが、葛葉は町を歩けば皆が振り向く美しさを持っていた。
碧がかった黒い髪を高く結い上げ、黄金色の蝶のかんざしを指し、唇は薄い紅にが指しあり大人の女性の魅力……。
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