リクエストBOX
□時雨に見つけた
4ページ/7ページ
「俺は山に住んでるからめったに降りてはこねぇ…ただ……お前みたいな女に会えるなら降りてくるのも良いかもな」
「そう?」
何を口走っているのだろうか…ニヤッと嫌な笑いをこちらに向けるこの男……。
「お待ちどうさ〜ん。はい抹茶とお団子」
まだ出来たばかりなのであろう湯気の立つ抹茶を一口含み、お団子を一つほうばる。
「おい、女将。個室を用意してくれねぇか」
「はい。ただいま」
男は葛葉の荷物を掴み、頭上に持ちあげた。
「なっ!何するんです!」
「ちょっと来い」
男の方が明らかに身長が高い。荷物を高く持ち上げられては取り返すすべはなく、渋々男の後ろをついていった。