消化したお題達
□角砂糖よりも甘く
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フン、と鼻で笑い、アルベルは飲みかけのカップを机の上に置いた。
「おい」
「え?」
ころりと、フェイトは仰向けに転がされた。
窓の外は嫌に明るい。
フェイトは眩しそうに目を細めた。
ギッと、ベッドが軋み、温い右手がフェイトの手を掴んだ。
見下ろす赤い瞳は楽しそうで少し悔しいと思った。
「フェイト」
脹れっ面のフェイトを珍しく名前で呼びつけ、アルベルはまたくつくつと笑った。
「なんだよ…」
尚更にフェイトは膨れてしまう。
アルベルは、眼下のフェイトをじっと見つめた。
白いシーツに柔らかな青く短い髪がよく映える。
そして、健康的な肌に薄らと残る痕跡。
翡翠の瞳は拗ねたように反らされていた。
アルベルが苦笑する。フェイトは溜め息交じりに顔を正面向けた。
そして、遠慮がちに腕を伸ばすとギュッとアルベルの首に腕をまわした。
アルベルの簡単にまとめられただけの髪が落ちてくる。
くすぐったそうに笑い、フェイトはアルベルの髪に触れた。
そのまま、撫でるように指を髪に滑り込ませた。
アルベルはそれを拒むことなく許していた。
伸ばしっぱなしの長い髪は、フェイトの指の間を通ってはさらさらとベッドに流れていった。
不意に、アルベルがフェイトの手を掴む。
そのまま軽く何度も掌に口付ける。
そして、落とすように唇へと降ってきた。
フェイトは、ふっと瞼を閉じ、されるがままに身をゆだねる。