消化したお題達
□口移しの飴玉
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「帝人くん。はい」
「…………？なんですか…？これ…」
「いーからいーから」
いつも通りに勝手に部屋へ上がり込んでいた臨也がふいにポケットをあさり取りだした小さな包み。
その中から出した薄い赤色をした飴玉を摘まみ、帝人の口元へ近づけていた。
当然ながらいぶかしんだ帝人は明らかに胡散臭そうに臨也を見つめている。
「いやだなぁ、ただの飴玉だってば」
ちなみにイチゴ味だよ。
クスクスと笑いながらいう臨也の手を帝人はそろりと押し返す。
「遠慮します」
にっこりと。
「いいから」
にんまりと。
「………」
「…」
変な押し問答が続いていた。
そんな中、不意に臨也が手を引いた。
「仕方ないなぁ」
また、にんまりと人の悪い笑みを浮かべる。
そして、ひょいと自分の口に飴玉を放り込むと、ふっと真面目な顔で、まともな笑みを浮かべた。
「あ……」
一瞬。それは一瞬の隙だった。