消化したお題達

□頬にクリーム
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パトロール、そういう名目で街を横切っていく雲雀とその後ろで遅れないようにとついて行く綱吉。
その後ろを草壁が追う。
傍から見るとかなり不思議な光景だろうが最近ではそれが日常と化している。

「ほら、遅れてるよ」
「ご、ごめんなさい!」

そんなやり取りを草壁は一歩離れた後ろから追いかける。

微笑ましい。

2人のやり取りを見ながらふっと笑む。
その顔を、雲雀と綱吉が不思議そうに見る。
そんな日常のとある一日の話。


不意に目についたケーキ屋に、居座ること十数分。
満足げに出て来た雲雀は、いつもよりもゆっくりとした歩みで学校へと向かった。
その後ろをケーキの箱を抱えた綱吉がふらふらとついてゆく。

「……」

振り返り、何も言うことなく雲雀は前を向く。
遅れちゃいけないと、綱吉は歩みを速める。目の前を歩く雲雀の背中が近づいてくる。
そして、ある程度近づくとまたゆっくりと、ケーキを壊さないようにと歩み始める。

綱吉は、まるで親鳥の後ろをついてゆくヒヨコのようだと思い、自嘲気味に苦笑いした。

「どうしたの。にやにやして」
「えっ!?いや…あの…何でもないです…」
「そう」

短く言って、雲雀はまた前を向いた。
そして、今度はゆっくりと歩みを進めた。
それは後ろの綱吉を気遣っているようにも見える。
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