消化したお題達
□ポッキーゲーム
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「みっかど〜!」
「どうしたの?紀田君」
「ポッキーゲーーム!」
「ええぇぇ!!??」
いつものテンション、いつものノリで、紀田正臣はポッキーを差し出した。
そして問答無用で帝人の頭を掴むと、ポッキーをくわえた。
「ちょ、ちょっと、まって、紀田君!」
「問答無用っ」
………
勝負は簡単に付いた。
無理矢理くわえさせられた方のポッキーを帝人が軽く(あくまでも軽く)押したのだ。
そして今に至る。
「ー…」
涙ぐみ机に突っ伏す正臣に、帝人は怒ったように脹れっ面をして見せた。
「ほんっとうに、ロクなこと考えないんだから…」
「帝人っ…お前っ…刺さったらどうするんだよ」
「えっと…ごめんね?紀田君」
「……俺は今…お前のその眩しい笑顔が怖いよ」
帝人は、困ったように頬を掻いた。
その間もぐすんぐすんと嘘泣きっぽい正臣の声がする。
(もう…仕方ないなぁ)
心の声とともに溜め息。
帝人は申し訳なさそうにもう一度、正臣へと謝った。
「まあいいや、今回はお前の勝ちってことで」
「勝ち負けだったの?」
「このポッキーを進呈しよう!」
「え?」
「これで帝人も意中の人とポッキーゲームで大人の階段を登りたまへ」
「無理だから」