消化したお題達
□温もりと安らぎと
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不意に、頬に触れた指先にフェイトは驚いたように顔をあげた。
「アルベル」
どうしたんだよ?
そう、微笑みながら読んでいた本をサイドテーブルへと置いた。
「別に何でもねぇ」
ふっと顔をそらし、ごろりと寝そべる。
その様子にクスクスと笑い、隣に寝そべっているアルベルの上に身を乗り出した。
紅い瞳が意地悪そうに細められる。
それを楽しげに見下ろして、愛しそうに指先で頬に触れた。
「…フェイト」
「ん?」
伸ばされた腕に抵抗する素振りすら見せず、引き寄せられるままに唇を重ねた。
そのまま、ころりと胸の上に身をもたれる。
温かい。
フェイトは、ウトウトと目を閉じる。
穏やかな心音に、心が溶かされるように感じていた。
サラサラと、アルベルの指が青い髪を撫でる。
それに比例するように、フェイトの体から力が抜けていく。
アルベルは小さく吐息をもらし、もう一度頬に触れた。