消化したお題達
□どちらからともなく
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「菊!!」
「!!!???」
「どうしたんだい?」
「な、なな…」
「ナナ?」
「なんで急に現れるんですか!」
それは晴れた日の午前中。
そろそろ昼食の用意をしようかと考えていた時に訪れた、平穏を壊す嵐のようだった。
「まったく…どうしてあなたは前もって連絡を入れるということをしないんですか」
「why?」
「私がいなかったらどうするつもりだったんですか。もう」
菊は呆れたように大きな溜め息をついた。
それを聞き流しながらアルフレッドは出来たての昼食を頬張っている。
「あ、それは私の……」
「早い者勝ちなんだぞ!」
「あ、ああ…」
まだ半分ほどしか食べていなかった塩鮭がアルフレッドの口の中へと消えていった。
今度は小さな溜め息をこぼし、菊が頭を抱える。
アルフレッドは慣れた手つきで骨を皿に出していく。
その様子を見て、菊はまた、溜め息をついた。
「どうしたんだい?そんなに溜め息ばかりついて」
「いえ…あなたがそんなに器用に箸が使いこなせるようになるほど家に食事を食べに来ているのかと思うと……」
「ははは、嬉しいかい?」
「……食費が…」
「嬉しいんだろう!」
「………食費………」
「ははは」
聞こえているのかいないのか。
アルフレッドは笑いながらも器用に箸を使い今度は煮物を奪っていった。
「………」
「モグモグモグ」
「はぁ…そんなに食べたら同じじゃないですか…」
「モグ…」
冷たい目で睨まれ、アルフレッドは視線をそらした。