book.

□一か八か。[白正?正白?]
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僕には想いをよせている人が居る。
その人は、とても綺麗な顔で白い髪が一際目立つ。
その人は、何時も笑ってる。
僕は、その綺麗な顔で何時も笑ってる白髪の人間に惚れてしまった。


「―ゃん、正ちゃんっ。」

「………えっ…?」

「大丈夫?ぼーっとしちゃって。」


いけない、まただ。
最近はこの人の事を考えてしまう。お陰様で研究が進まない。
きっと、僕の想いをこの人に伝えられたらスッキリするかも知れない。
けど、フラれるのが怖い。
この人は綺麗だからきっと、恋の仕方も上手いんだろう。
僕なんかよりずっといい人なんか腐るほど居る。
だから、僕は捨てられるに違いない。
それよか、この人は恋をしたことがあるのだろうか…?


「……白、蘭さん…」

「ん?なに」

「………貴方は、恋、したこと有りますか…?」


恐る恐る聞いてみた。
すると白蘭はフフッ、と笑い

「あるよ、てか、今してるよ♪」

という返事が返ってきた。
やっぱりしてるんだ。
誰だろう、と思う僕。
でも、その言葉の中に嫉妬という思いも入り交じっていた。


「へぇ…。白蘭さんも恋、するんですか。」

「そりゃあ、するよ。好きな人が居ない人生って寂しいじゃん?」


少し笑いながらそういう白蘭。
僕はそんな貴方に恋をしています。
毎日貴方の事で頭が一杯なんだ。
ある意味迷惑だよ、研究も進まないし…。
何でそんなに僕を苦しませるんですか?
わかってますよ、貴方が好きでやってるんじゃないってことくらい…。
全て僕が悪いんです。
貴方に惚れてしまった僕が悪い…。
一か八かで聞いてみよう―…。

「………僕が、貴方を好きになってしまった、と言ったら困りますか…?」

バクバク、と煩く高鳴る心臓を無視し、一か八かで聞いてみた。
白蘭はキョトン、とした。
いきなりの告白に困ったのだろう。無理もない。
けど、白蘭さんは再び笑い

「……全然困らないよ、むしろ嬉しいよ…」

そういうと白蘭は自分の腕で正一を抱き締めた。

「実は、僕も正ちゃんの事が……」

白蘭は正一にしか聞こえないようにそっと本音を呟いた。




(僕は)(告白をして)(正解だった。間違ってはいなかった。)

End.
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