西浦

□欲張り/イズミハ
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三橋がおかしい。

ピッチングはいつも通りだし
俺らになれてきたのか一日によく笑う姿を見るようになったし……まぁ阿部には変わらずだけど。



ふと視線を強く感じる時があって、
俺としても好きな奴から視線を感じるのはまったく悪い気がしない訳だから別にいいんだけど三橋が何か話したいんなら別で。
付き合い始めてからも人より遠慮してしまうのはもうあいつの性分なんだろって理解はしているつもりだ。無意識なのか三橋は聞いてほしい話がある時とかジッとこっちを見る癖がある。

だから話を振るんだけど、「なんでもない、よ!」の一点張りで、もう一週間もたった。





(やっぱ言うわけねぇか)


「…あのさ三橋言いたくなかったら別に言いからな?ただ気になっただけだから何もなければ「い!…い、ずみくんは……だ」
「え?悪ぃあんま聞こえなかった。」


「……み みんなずるい。いずみ君は、お おれのなのに」

「……三橋?」

「だ、だって
おれ分かるんだ!おれと同じ 目して いずみ君見てる、か ら。
いつも いずみ君 みてたら いて。 そいで おれは最低で。お 同じだ って分かるのに…おれは 嫌だ って思って、しまって。
いずみ君 と つ 付き合ってるのは おれなの、にって。」


「……」

「でも お、おんなじ 気持ちなのに、やっぱり おれなんか よりも 普通で。おれが一緒にいても な 仲良い友達だ って思われる だけな のに…ず ずるいって 思ってしまって。」


「あー三橋?話がよく見えねぇんだけど…………俺のこと…好き?」

「、好き、!」

「大好き?」

「だ、、大好き・・です//」

「〜〜っ。あーもう、お前なぁ!」


自転車が倒れる音が思った以上に大きくて三橋がびくついたのは分かったけど、それを気にする余裕なんてなく強く腕の中に包み込んだ。

いつもならきょどるか遠慮がちに俺の服を掴むかのどちらかなのに、自分から俺の首に腕を巻いて抱き着いてきた。


三橋が何のことで不安になってたのかよく分からなかったけどそれを知るのなんて後回し。


「三橋。ヤキモチやいてくれたんだ?」

「う?や やきもち…」

「そ!俺が誰かのもんになるの嫌なんだろ」

「い、いやだ!」

「それやきもち」

「ご、ごめ。俺わがままだ」

「安心しろって!最初から俺は三橋のもんだし。
それに俺なんかお前以上にしてるつーの。」

「ぅお、?い いずみ君も?」

「…あーまぁこれはいいとして。
……で?
やきもち焼きな三橋は俺にどーしてほしいんだ」

「〜っ//い いずみ 君 わ 笑っ!!」

「三橋が言ってくんねーとずっとこのままだぜ?」

「うぐ。
…………………キ…………ス//したい…です」


「お安い御用」


「……んで?」

「…もっ、と…」



そう言って一度離した唇を追うようにして三橋から口づけてきたから、ここが外だとか俺の顔が緩みっぱなしとかそんなもん全て忘れて
求められるままに、甘美な唇にただただ酔いしれた。

「…もっと…欲し、い…」

「…欲張り。」

(…欲張りなのはお互い様、か)






**
後日三橋から、
俺に気があると思っている女子と話してる姿をどっかのバカ共がお似合いだとか騒いでた所をたまたま三橋が聞いて不安になってたことをどもりながらも教えてくれた。



やきもち焼く暇なんてないくらいに君に夢中なのに・・
まぁこれはこれでかなり美味しいから最大限に利用させてもらうとするか。


→end
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