西浦

□それは自分で気づくもの/タジ→ミハ
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友達−…?

ん−違うな。友達なんかよりもっと強い気持ちだし、
兄弟−…?

水谷によく「田島は三橋の兄貴分みたいだねぇ」なんて言われるけど、確かに三橋が困ってんの見たら1番に助けなきゃって思うんだけど…なんかすっきりしない…


ん〜
んん゙〜
・・・・・・・・・・

「あ゙ーもうわっかんねぇぇ!!」

「!!?うわ、なんだよ田島、いきなり顔挙げて叫ぶなよ。針刺しちゃう所だっただろ」


「なんだ浜田かぁ〜。」

「なんだって何だよ;
お前本当に泉に性格似てきたよな。俺にたいして」
「…何してんの?」

「スルーかよ!!…ったく、次に使う応援グッズ作ってんの。なんかお母様達から頼まれちゃってさぁ」


そう言う浜田の机の下には小さい白生地にKと書かれてる旗らしきものが重ねられていた。

「んで?何いきなり叫んでたんだよ?」


「あーそれそれ!!……ってあれ?」

周りを見渡すがいつもいるはずの人物が見つからない。
いつもなら昼休み隣で一緒に食休みしているはずなのに。浜田はいつも起きているから知ってるだろうと思い聞いてみる

「なぁ、三橋は??」


「ん?三橋なら泉と一緒に売店行ったぞ」


……なんだろうこの気持ち。浜田から聞いた台詞になんだかモヤモヤしているような、ムカムカしているような変な気持ち。
この気持ちは初めてじゃない。
随分前から知っている。


三橋が阿部を頼りにしている所や、
泉や浜田と笑ってる所、
栄口に寄り付いてる所や
榛名や叶など三橋から出る他のやつの話を聞いたり見たりすると
心が
モヤモヤ
モヤモヤ
…変な気持ち。

いい加減この気持ちが何なのか知りたい・・浜田は知ってるかな?



「……なぁ浜田ぁ〜。
俺さ三橋と一緒にいるとすっげぇ楽しんだ!!野球してる時も一緒に昼飯食べたり話したりしてる時も、ここがぎゅーってなるくらい嬉しい気持ちなんの!!」


「?」

「でもな三橋が他のやつと話してたり楽しそうにしてんの見たらなんかここがモヤモヤして変な気持ちなんの!!」

「お−。」


「これってさ何でだと思う?俺ってやっぱ変なのかなぁ−。
ここがモヤモヤしたりぎゅーってなんのはさやっぱり病気のぜんちょうなんかなぁ??」


「…はい?
………ちょ、ちょっと待て…え??」


「なんだよ〜俺は本気で心配してんだぞ」


「…えっと…もしかして田島気づいてないの?自分の気持ち…」


「??何言ってんだ?」

俺の言葉に浜田がスザーっと机に伏せたのでいきなりの行動に自分が変なことを言ったのかますます困惑してしまう。
「浜田ぁ」なんていいながら指で体を突いてみると、何故か疲れきった顔を挙げた

「まぁ田島らしいちゃ田島らしいよな。ハハ;
…田島はさ三橋のこと大切?」

「あったりまえじゃん」

「どんな風に?」

「え−…ん〜っと、三橋が困ってたら助けたいし頼ってほしい。んで三橋にはいつも笑っててほしい!!」

「それが俺や泉、阿部達でもいいの?俺達だって三橋のこと大事だしいつも笑っててほしいからね」


「……ゲンミツに嫌だ!!俺が三橋の笑顔を作りたいし近くにいたい」

「でたじゃん。それが答えじゃない?
田島にとって三橋が‘特別’ってことだろ?」


特別って何だって聞こうとした時、今話題になっている人物の声がした。
声の方を見てみると教室に入ろうとする姿、

「た じまく// お土産 か 買ってきた、よ。フヒ//」
御主人様を待ち望んでいた犬のように 俺は帰ってきた三橋に飛びついた。


「みぃはしぃ〜。どこいってたんだよ、寂しかったぞ」

「うぉ、ご 御免ね。田島く気持ちよさそうに寝てたから。」


「んーいやいいや〜。
だけど次からは起こしてくれよな。ゲンミツに二人で抜け駆けなんて禁止だぞ」


「う 、うん分かった!!今度からは 浜ちゃんも入れて四人でいこう、ね」

「抜け駆けってお前なぁ〜。
ってか三橋から離れろよ、いつまでそうしてるつもりだよ」

「泉のケチ〜
今俺は三橋の補給してんの」




(あぁあぁ〜あんな堂々と行動に移してんのに気づいてないなんて。
野球部は皆三橋のこと好きだから、今日のこと話したら余計なことすんなってまた泉にどやされるんだろうなぁ;
…でもま、ヒントくらいやってあげなきゃな。
後は田島が自分で気づいていくだけだし)





−−‘特別’の次に待っている気持ちは・・・−−






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