西浦

□チョコバットぐるぐる/ハナミハ
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「よし。今日の分はこんなもんだろ」

仲間達が帰った後の部室には自分しかおらず自分の声が思った以上に響くと、自然にさき程までとの部室内の違いをあらわにする。

部誌を書き終え深く椅子の背もたれに寄り掛かり考えることは今日のこと。
今日はいろんな人から顔合えば「おめでとう」と声をかけられた。
今まで話したことないやつからも声をかけられたのは、野球部が少しでも周囲の関心を持つ部になったと考えるのは自惚れだろうか−…。

(まぁあいつが大声で言ったのがぜってぇきっかけだよな)

苦笑いしながら思い出すのは我が部の頼れる4番。
廊下で9組四人組に会うや大声で祝われ、恥ずかしいのなんのって。
阿部は他人の振りするわ水谷はうざいわ、、周りからは微笑ましいみたいな雰囲気出されるわ。。


悪態つきながらもやっぱり嬉しいもんで気がつけば顔が緩んでしまう。
部活の時も何においても誕生日だからって優遇された。まぁおにぎりの具が豪華になったとかバッティングの順を多めにしてくれたとかなんだけど・・

(あーでも田島の暴走止めてくれた泉と栄口には助かったかも)

今日の部誌や鍵閉め当番も変わるって巣山達に言われた花井だが、この年で家族から祝われるのも抵抗あるし あいにく大事な相手もいない訳で、、誕生日だというのに一人最後まで残っていた。



ボーっと椅子に寄り掛かってる時、部室のドアが開きそこに目を向けると黄色い見慣れたモフモフの髪。
その人物が「は 花井く、ん い いますか〜?」っと声をかけるのでそこから自分が見えてないと分かりドアから顔出す人物に向けて腕を挙げる。

「おー。いるよ!」

「あっよ、よかった。部室まだ 電気ついてたからもしかして、って 思ったから」

「三橋さっき皆で帰ってたじゃん。どーかしたのか?」

「うぉ…えっと・・わ 忘れ物!!ロ ロッカーに。そ そんなことより!!は 花井君はもう 終わった?」

「おー。今書き終えた所。・・・あー、なら…一緒帰っか//?」

「うぉ!!うん!!」


(うわ−笑顔だよ。なんか、…あー恥ずい///)



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