西浦
□チョコバットぐるぐる/ハナミハ
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三橋はよく笑うようになった。
田島や泉達と一緒にいることによって、
阿部とバッテリーとしての関係を築くことによって、
水谷や栄口が気にかけることによって、
沖や西広、巣山がサポートすることによって、
(…ハァ…やっぱし三橋緊張してんな)
三橋と関わるのが他の仲間に比べ少ないから未だ三橋にはビビられてるように感じてるのに、そんな中突然の二人っきり会話なんて弾むはずもなく
学校を出てから何かと話題出すも長くは続かなかった。
訪れる沈黙。
先に破ったのは意外にも三橋で、
「は 花井君今日 誕生日おめでとう…です。」
「…プッ。 三橋何回目だよそれ、」
「うぇ!? おれ そ、そんなに??」
「言ったよ〃メールだろ 廊下で会った時、部活ん時、んで今!!今日で四回も言ってくれた!!」
「で でも 俺直接一人で言ったのは は初めて・・だよ?」
(うぁ−なにこのアングル//……って馬鹿か俺!!三橋は男だぞ!!
いくら目でかくて女みてぇに可愛………ってまた!!!)
三橋と並ぶと身長差がある訳でどうしても三橋が覗いてくる形になるから、そのアングルが自分を刺激する。
赤くなる顔をなんとかごまかそうとまだ自分にびくつく三橋の頭をグシャグシャとすると驚かせてしまったようだ。
「あっわりぃ。つい下にやるようなことしちまって」
下の双子から文句を言われる姿を思い出し苦笑いしながらグシャグシャにしてしまった髪を戻そうと延ばした手が止まる。
三橋を見るととても嬉しそうに笑っていて、「ウヒ//は 花井く に撫でられた」なんてことを言うものだから頭の思考が停止する。
「!?////」
「おれ 花井、君 き 嫌われてると思ってた。
だから今日 いっぱい話せて嬉しい です//」
(ーッツ///
まじでどーなってんだよ。これ//あっでもこれって仲間として だよな?ってかそれしかねーだろ、何考えてんだ俺!!
とりあえず落ちつけ!!
三橋から俺嫌われてるとかじゃねぇんだよな。よかった。 //って変な意味じゃなく!!)
「き 嫌ってねぇよ!!
むしろ仲良くなりたかったっていうか//…あっ別に変な意味じゃねぇぞ!!仲間としてで//」
「仲間//ウヒ う嬉しい//これから 花井君とも いっぱい話したい」
「おー//」
本当に嬉しそうに笑うもんだからこっちまで照れてしまってまた頭を撫でようとするときに
「「あー花井が三橋に襲い掛かろうとしてる〜!!!」」
「なっ//!?」
振り向くと田島と水谷を先頭に帰ってたと思っていた仲間達がこちらに向かって歩いてきた。
「おいハゲの分際で三橋に気安く触んじゃねぇよ」
「ハゲじゃねぇってなんべん言やぁ分かんだ阿部!!それに田島と水谷!!お 襲うとか誤解を大声で言うんじゃねぇ!!//」
「え〜花井今にも襲いかかりそうだったもん〜獣の目してたよぉ」なんて言う水谷にケタケタ笑う田島や他の連中。
「はぁ。
ったく何でお前らまだいんの?何してたんだよ」
「ん〜いつものようにコンビニ行ってたらさ三橋が忘れ物したって学校戻ったでしょ。だから絶対三橋と花井一緒帰るだろうなって思って!!せっかくだからこのまま待ってて花井の誕生日祝いながら皆で一緒に帰った方が楽しいよねって話になったんだよ。まぁ三橋と二人っきりなんて美味しい想いを俺達がさせるわけないよね〃」
っと顔は笑っている栄口がいい、隣に立つ泉からコンビニの袋を渡されて、中を見ると大量の菓子。
「なぁ…泉、何でチョコバット?」
「ケーキと金がなかったから」
「花井の場合はもっと打てってことだよな〜ゲンミツに〃」
「−ッツたじまぁ〜!!!」
「まぁまぁ花井落ちついて。
ところで三橋ぃ。何忘れてたの?」
栄口から言われ少し離れた所で阿部達と話してた三橋がビクっと体を動かし振り向いた。
(−なんだ?何かまたびくついてねぇ??)
「うぁ、、えっと。 しゅ 宿題!!!」
「え〜三橋が〜珍しいこともあるんだね〜」
(水谷の言う通りだよな。。三橋って宿題とか気にするやつだったけ??ホラ 阿部だってめっちゃ不信がってっし。
そんなに9組宿題出てんだ)
なんて一人で納得してる時に不意に後ろから聞こえる泉の声。
「あれ?今日俺ら宿題とかあったっけ??」
三橋を見ると目が合った瞬間照れてるように避けられた。
(−えっ?!///
いやいやまさかな。
………まさか…だよな)
一つの可能性が頭から離れない。
・・・自惚れてもいいんでしょうか?
何かが始まろうと
そんな予感がした
何度目かの誕生日。
→end