西浦

□最後にとっておく方/イズミハ
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「……何?なんでお前等までいるんだよ」

招き入れてもないのに‘おじゃましま〜す’と言ってズカズカと中に入ってくる田島達。少しは遠慮という言葉を知ってそうな後から入ってきた花井に 詰め寄って聞くと、目線を反らしながら、
「いやな〜田島が三橋の家に遊び行ったら三橋が出掛けようとする所で、聞いたらお前ん所に行くって言ったらしいでさ。そしたら田島から泉ん家で皆で勉強しよーぜって電話がきてだな。ほらちょうど国語とか聞きたかったし、そしたら勉強場所ないし……うん、悪かった。だからそんな顔して睨むなよ…」

花井に言われて気づいたが自分は本当に嫌な顔をしていたのだろう。
田島から肩に腕を組まれ先を歩く三橋が怯えたようにチラチラと自分をうかがっていた。

(これは後でフォローしなきゃな。)

しょうがない。仮にもテスト期間だったんだ勉強しなくてはいけないのも本当だし。
夜邪魔が入らなかったらいいこと。
そう夜−…
三橋に誰よりも1番におめでとうを言う時は、メールなんかじゃなく電話なんかじゃなく本人を目の前に抱きしめながら言いたい。


(それまでは辛抱するか)

とりあえず勉強机を並ばして三橋を壁側に座らせ隣を誰よりも素早くキープした。


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