novel

□世界一初恋~柳瀬優の場合~
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川澄が来てから数週間がたった。
「はぁー、〆切には余裕だけど流石に疲れたな」
斉藤先生の原稿を終え帰宅途中の柳瀬はふぅっとため息をついた。
この疲れは仕事のせいなのか川澄に対しての精神的な物なのか柳瀬には分かっているはずだが、認めるのが嫌だった。

ドン、考え事をしていた柳瀬は誰かと衝突してしまった。
「痛ー」
「す、すみません!!」
それは聞き覚えのある声だった。
「!!か、川澄!?」
「あっ、柳瀬さん!!」
見ると川澄は目に涙を溜めていた。
「お前・・・、泣いてんの?」
「え・・・、いえ、何でもないんです!!失礼します!!」
その場を去ろうと走り出した川澄の腕を柳瀬は無意識に掴んでいた。
「…」
「あの・・・」
柳瀬の頭に斉藤先生の言葉が蘇る

「頑張り屋さんだね。応援したくなるよー」

そうだ。そんな奴が泣いてたから・・・。

「理由聞かせろ」

柳瀬はぶっきらぼうに言った。

「柳瀬さん・・・///」

2人は川澄の家へと向かった。
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